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タミフルについて【豆知識1】

 ・オセルタミビルは、腎臓から排泄される。
 オセルタミビルは、乳汁中に移行するので、授乳婦に投与する場合には、授乳を避けさせる。なお、妊婦、又は、妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することになっている。
 主な副作用は、腹痛21件(6.8%)、下痢17件(5.5%)、嘔気12件(3.9%)が、知られている。
 
 ・オセルタミビルは、1回200mg以上を投与すると、嘔気、嘔吐、めまい(浮動性眩暈)が現れる。

 ・国内予防試験で発現した主な有害事象(2%以上)

 ・オセルタミビル投与後の耐性ウイルスに関しては、耐性ウイルスの出現率は、1.4%とされる(成人及び青年では0.34%、小児では4.5%)。
 耐性ウイルスは、全てA型インフルエンザウイルスに由来し、B型では出現が認められていない。
 耐性を獲得したインフルエンザウイルス(耐性ウイルス)は、著しく感染性が低下し、感染部位での増殖、伝播力は、極めて低いと考えられている(マウス、及び、フェレットでのデータ)。耐性ウイルスが出現しても、再び発熱したり、重症化することはなく、1週間程度で、耐性ウイルスは、気道から消失する。耐性ウイルスが、周囲のヒトに感染した症例は、ないとされている。耐性を獲得したウイルスでは、ノイラミニダーゼ(NA)のアミノ酸変異が認められている。
 
 ・タミフルを使用すると、早期に解熱するが、低年齢の幼児では、解熱後も、数日間は、上気道からウイルスが、排泄され続いている。従って、成人や学童では、解熱後2~3日間、乳幼児では、解熱後3~4日間、隔離して、静養することが必要。

 ・A型インフルエンザに罹患した小児を、抗インフルエンザ薬で4日間治療し、解熱後約48時間経過した時点で、再度、鼻腔拭い液中のウイルス抗原を、迅速診断キット(キャピリアFluA,B、インフルA・B-クイック「生検」)を使用して、検査した。その結果、解熱後約48時間経過した時点でも、48.4%の患児(31名中15名)に於いて、鼻腔拭い液中のウイルス抗原(鼻汁中のA型インフルエンザウイルス抗原)が、陽性だった。
 抗インフルエンザ薬として、オセルタミビルを使用した場合は、71.4%(14名中10名)で、鼻腔拭い液中のウイルス抗原が陽性だった。また、アマンタジンを使用した場合は、29.4%(17名中5名)で、鼻腔拭い液中のウイルス抗原が陽性だった。
 抗インフルエンザ薬で治療後に、ウイルス抗原が陽性であり、ウイルス抗原が残存していても、必ずしも、感染源となり得ない(ウイルス抗原が陽性であっても、必ずしも、感染性のあるウイルス粒子が残存していることを意味しない)が、抗インフルエンザ薬を使用して治療した場合のインフルエンザ罹患後の登校基準を、検討する必要がある。(藤澤等の論文報告)

 ・2003年初頭のインフルエンザ流行時に、タミフルの供給不足が、社会問題化された。しかし、世界で生産されるタミフルの60~70%を、日本で使用していたと言う。
 欧米でのインフルエンザ治療は、依然として、安静、水分補給、解熱薬の投与とされている。

 ・インフルエンザは、老人や基礎疾患などで、体力(免疫力)が低下していなければ、自然治癒することが多い病気なので、インフルエンザに罹った人の総てが、オセルタミビル(タミフル)を服用する必要はない。むしろ、適切に使用しなければ、耐性ウイルスの問題が生じる。インフルエンザに罹った人の総てが、オセルタミビル(タミフル)を服用することは、医療コスト上からも、好ましくない。
 添付文書にも、「治療に用いる場合には、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。」と、明記されている。

 ・タミフルの臨床効果(解熱効果)は、B型インフルエンザウイルスに対しては、A型インフルエンザウイルスに比して、劣っている。

 ・タミフル(オセルタミビル)は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ活性部位(NA活性部位)に結合する(高い親和性がある)。

 ・タミフル(オセルタミビル)は、プロドラッグとして、生体への吸収効率を良くしてある(タミフル自体に、生理活性はない)。
 タミフル(オセルタミビル)は、肝臓で、酵素(肝エステラーゼ)により分解され、生理活性(インフルエンザウイルス増殖抑制効果)を有する活性体(オセルタミビル活性体)に、変換される。
 タミフルの活性体が、インフルエンザウイルスが増殖する組織に移行し、高い生理活性を示す。活性体自体は、吸収効率が悪い為、直接内服しても、体内には、微量しか吸収されない。
 母乳中に移行するタミフルは、ラットの実験によると、微量であり、そのほとんど全ては、吸収効率が悪い活性体であり、吸収効率が良いプロドラッグではない(ヒトでは、乳汁中オセルタミビル濃度の方が、血漿中オセルタミビル濃度より、高い)。
 添付文書には、「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]」と、記されている。しかし、母乳中に分泌されるタミフル(オセルタミビル)は微量であり、その大部分が吸収効率が悪い活性体であることを考えると、母親がタミフルを内服しても、乳児に、授乳(母乳哺育)を中止する必要はないと、考えれられている。また、母親がタミフルを内服していて、同時に、児(乳児)がインフルエンザの治療でタミフル内服を開始した場合も、児へのタミフル投与量を、減じる必要はないと考えられている。
 なお、妊娠中のタミフル投与に関しては、添付文書に、「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。]」と記されている。
 ・タミフル(oseltamivir)は、プロドラッグであり、母乳中のoseltamivirは、(乳児の腸管では)殆ど吸収されない。

 ・タミフル(oseltamivir)の副作用である、悪心、嘔吐は、食物と共に内服すると、軽減される(タミフルは食後内服が良い)。