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タミフルについて【豆知識2】

 ・タミフルカプセル(75mg)は、1日2回、5日間内服する。
 タミフルカプセルは、体重が37.5kg以上の小児には、投与が承認されている。
 欧米では、体重15kg以下の小児には、一律に1回30mgを2回(60mg/日)を内服させる(体重が少ない幼児は、日本より内服量が多い)。
 ・乳児へのタミフル(オセルタミビル)投与量は、通常、4mg/kg/日(分2、5日間)。

 ・タミフル(オセルタミビル)の添付文書には、「精神・神経症状(頻度不明) 精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、観察を十分に行い、症状に応じて適切な処置を行うこと。」と書かれてある。
 平成17(2005)年11月に、タミフル(オセルタミビル)を服用した患者2人が、異常行動を来たし、死亡していたことが、報告された(1人は、車道に走り出て、大型トラックに撥ねられて死亡し、もう1人は、マンションの9階から転落死)。
 一般に、インフルエンザでは、他の感染症に比して、発熱に伴い、譫妄状態(熱性譫妄)が見られることが多い(熱性譫妄は、必ずしも、インフルエンザ脳症の合併を意味しない)。
 インフルエンザなど感染症で現れる譫妄状態(熱性譫妄)は、睡眠中(夜間、昼間)に現れる(睡眠後に覚醒した時に異常行動をとる)ことが多い。インフルエンザ脳症などで現れる痙攣発作は、覚醒時に現れることが多い。
 このような異常行動や異常言動が、本当に、タミフルの副作用なのか、慎重な解明を期待したい。

 ・抗ウイルス薬のリン酸オセルタミビル(タミフル)や、単純ヘルペスウイルスや水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に効果がある、塩酸バラシクロビル(商品名バルトレックス)は、投与後、幻覚や意識障害などの中枢神経性副作用を起こすことがある。

 ・タミフルは、鳥インフルエンザ(HPAI)にも、有効とされる。
 
 ・抗ウイルス剤を、インフルエンザ感染の初期から投与すると、血清HI抗体価は、上昇しない。

 ・タミフル(オセルタミビル活性体)は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)に対して高い選択性を示す。
 タミフル(オセルタミビル活性体)は、インフルエンザウイルス以外のウイルス、細菌、哺乳類組織のノイラミニダーゼを、殆ど阻害しない。

 ・インフルエンザの治療には、解熱剤も使用されることが多い。
 タミフル(オセルタミビル)は、解熱剤のパラセタモール(成分はアセトアミノフェン)と併用しても、パラセタモール(アセトアミノフェン)、オセルタミビル、オセルタミビル活性体の薬物動態は、変化しない。
 タミフルは、シメチジン(H2受容体拮抗薬:H2ブロッカー)と併用しても、薬物動態は、変化しない。

 ・2007年10月に、厚労省から発表された中外製薬の基礎試験結果によると、タミフルは、脳神経に存在する155の蛋白質(受容体、チャネル、酵素など)に影響を及ぼさない。タミフルは、血液脳関門(BBB)を受動拡散で通過し、脳内に移行するが、P-糖蛋白質と結合して、脳外に排出される。タミフルは、ラットでは、少量しか、脳内の酵素で活性型に代謝されない。以上より、タミフルは脳内に蓄積しにくいと考えられている。

 付記
 ・タミフル服用後に異常行動を起こし、転落死した症例が報告され、その後、転落など異常行動により大怪我をした症例の報告が続いた。
 その為、厚生労働省(厚労省)は、平成19(2007)年3月21日に、タミフルは、「10歳以上の未成年の(インフルエンザ)患者に、原則として使用を控えること」を、添付文書の警告欄に書く加えるよう、緊急安全性情報を出した。
 タミフルが販売される前から、インフルエンザに罹患して、高熱を出した際に、譫妄状態(熱性譫妄)が見られることが知られていた。
 転落死など異常行動が、本当に、タミフルが原因であったとすれば、今回の緊急安全性情報により、タミフル服用例が少なくなることにより、異常行動の発生が、減少することが期待される。
 タミフルの副作用とされる、転落死など異常行動が、発熱による熱性譫妄だとすれば(インフルエンザと言う病気自体が原因であったとすれば)、タミフル服用例が少なることにより、異常行動の発生が、むしろ、増加するおそれも考えられる。
 乳幼児や老人や、基礎疾患がある人などは、タミフルにより、早期に解熱した方が、肺炎などの合併症を起こすリスクが減少することが期待される。
 「薬(クスリ)」は、反対に読むと「リスク」であり、副作用(リスク)を伴なわない薬は少ない。
 タミフルに、異常行動を起こすリスクが存在するとしても、一面的な評価で販売を中止するのでなく、インフルエンザに対する有用性や、合併症などのリスク減少効果も考慮して、使用の継続を認めて頂きたい。

 ・「タミフルカプセル75」と「タミフルドライシロップ3%」を服用した(未成年の)患者さんの保護者は、異常行動の発症に備え、「少なくとも2日間、未成年者が1人にならないように配慮をする」ことになった。
 タミフルを服用しないインフルエンザ患者さん(成人も含めた患者さん)も、インフルエンザの発熱に際しては、熱性譫妄が起こるおそれがあるので、1人にならないように注意が必要と思われる。

 ・新型インフルエンザに対しては、十分な感染防止策を行わずに、新型インフルエンザウイルスの暴露を受けた者は、抗インフルエンザ薬の予防投与の対象者となる。
 A型インフルエンザウイルス感染症に対して、予防投与の適応が認められているのは、オセルタミビルリン酸塩カプセル(商品名:タミフルカプセル75)、ザナミビル水和物ドライパウダーインヘラー(商品名:リレンザ)のみである。
 タミフルカプセル75の予防投与は、13歳以上の症例が対象者(13歳未満の症例は、適応がない)で、1日1回1カプセルを、7~10日間、内服させる。
 リレンザは、1回2ブリスターを、1日1回、10日間、吸入させる。リレンザは、4歳以下の小児に対する安全性は、確立していない(適切に吸入が出来る症例に投与する)。
 予防投与の費用は、原則、自費負担だが、「健康観察」となる新型インフルエンザ濃厚接触者への予防投与は、費用の一部もしくは全額を公費負担とすることは、各自治体の判断で可能とされる。検疫法により停留を実施する場合には、当該者への予防投与は、公費負担となる。
 「医療体制に関するガイドライン」において、慢性疾患等を有する者に対しては、発生前の現段階において、かかりつけの医師が了承することで、蔓延期に、電話診療によりファクシミリ等を通じて処方箋を発行することが出来ることになっている。
 現時点(平成21年5月)では、確定診断がついていない「疑似症例」に対しても、タミフル等の抗インフルエンザ薬の投与は、速やかに行うことが望ましいと考えられている。